フラッシュカードのメリット&デメリット【我が家でやらない5つの理由】

フラッシュカード やらない理由

あなたは、フラッシュカードご存じですか?

ママパパ

・フラッシュカードで語彙力と知識が増えそう!
・本当に効果あるのかな?
・なにか危険性もありそうで不安かも…

この記事では、フラッシュカードの特性、メリットデメリットを踏まえて、我が家でどのように考えているかをまとめました。

本記事には、佐藤ママのインタビュー動画を引用しています。佐藤ママこと佐藤亮子さんは、子ども達4人(3男1女)全員を最難関医学部の東京大学理科III類に進学させたことでも有名です。

また、本記事の参考文献として、下記の本を参照しています。

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米国アマゾンでレビューのスコアは驚異の4.6
Einstein Never Used Flash Cards

タイトルは「Einstein Never Used Flash Cards」で、「アインシュタインはフラッシュカードなんて使わなかった」という核心を突いたタイトル。発達心理学者が執筆した本で、内容としては、子どもの本当の学びとはどのようなときに起こるのかが書かれています。(日本語訳はされていません)

【我が家の方針】
夫婦で相談した結果、我が家ではフラッシュカード教育はしないことにしました!

賛否両論あると思います!
一意見としてご覧ください(^^♪

目次

フラッシュカードとは?

フラッシュカードとは、イラストや数が書かれているA5サイズほどのカードを使って、情報を瞬時に記憶させる教育方法です。1秒以内という非常に速いテンポで次々にカードに切り替えることで、幼児は瞬間的な映像記憶により大量の単語を覚えていきます。

この教育により、通常の生活では習得できないほどの語彙を、非常に短期間で習得できます。これは、脳の成長が著しい0~5歳の時期に特に効果があります。日本では、七田式が有名ですね。


おためしセット

かな絵ちゃんA
七田式 フラッシュカード

ここで、Youtubeでフラッシュカードを使用している実例があったので引用します。

なかなか面白いので一度ご覧ください★ 3分30秒くらいから★

3分30秒くらいから見ていただくと分かりやすいです

この動画では、3歳0ヶ月のお子さんがフラッシュカードで様々なものを覚えていますね!
この子は、2歳半の時点で、全世界の国や国旗や首都の名前を覚えることが出来たそうです!これは、フラッシュカードを活用した効果だそう。素晴らしい効果ですね!

子どもだけじゃなく
ママも相当すごいな!

脳の発達が著しい幼児期に大量に情報を浴びることで、小脳の反射作用での自動類推作用により、反射的に反応できるようです。(右脳とか書いている記事がありますが、実際には右脳ではありません。)

ただ、この特殊な教育には弊害がある可能性があります。メリットとデメリットを見てみましょう!

フラッシュカードのメリット

フラッシュカードのメリットを3つ挙げてみます。

メリット① 膨大な単語を覚えられる!

フラッシュカードを使えば、大量の情報を短期間で脳にインプットできます。ただのカードを使うだけなので、多くの労力も必要とせず、苦痛を強いることなく、短時間で子どもを物知りにさせられます!

同じ年代の子どもに比べても比較にならないほど語彙力が高まるんです。幼い子どもが、例えば、サッカーの試合(アルゼンチンvs日本)を見て「あ、アルゼンチンの首都はブエノスアイレスだね!」と言っていたり、まだ習っていない難しい漢字が読めたりすると、周りは「天才児や!」と思うでしょう!
フラッシュカードをうまく使えば、そういった状況が作り出せるのです。

メリット② 語彙力があり自信がつく!

フラッシュカードを使えば、たとえ読み書きができない2歳児でも「ひらがなが読める」ようになります!
そして、周りと比べても自分の知識の多さに自信を持ち、興味の範囲を広げていくかもしれませんね。

メリット③ 学習障害の療育に効果的!

フラッシュカードは、学習障害(LD)児への療養への活用で、結果が出ています。子どもに合わせた独自の教材を使えば、単語の習得に有効です。

語彙力が上がればその後の
学力も上がりそうだけど…?

でも、単語を覚える
プロセスが大事です!

フラッシュカードのデメリット

様々なデメリットがあると言われます。
一般的に言われているデメリットは、下記のような内容です。

  • 自主性が失われる
  • 独り言をいうようになり、物事に無関心になる
  • 反射的に文字やマークに注意が向いてしまう
  • 声や話し方が機械的になる
  • 自閉症と似た言動をするようになる

なぜこのようなことが言われるかというと、フラッシュカードが、子どもの自主性を無視した「受け身」の教育であるためです。フラッシュカードの使用目的は「大量の情報を高速で脳にインプットする」ことです。

なので、子どもが感動したり、体験したりする学習とは全く異なります
Youtube動画でご覧いただいたように、フラッシュカードは受け身で機械的な教育です。そして、パターン化された動きになります。フラッシュカードは「大量の情報を脳にインプットする」ことに特化した教材である分だけ、偏った取り組み方による弊害の可能性もあります。

使い方次第では、この弊害も防げるかもしれませんけどね

我が家でフラッシュカードをしない理由

続いて、我が家ではフラッシュカード教育をしないことにした理由を5つ紹介します。

理由① 親子の会話を大切にしたいから

親子の会話の中で、子どもと一緒に色々発見をしていきたいというのが、最大の理由です。
親が教育者、子どもが受講生、という構図にはしたくない。子どもと親は、上下関係ではなく、できる限り横の関係を築きたいんです。

★佐藤ママのインタビュー動画★

佐藤ママは、子ども4人(3男1女)を、最難関医学部の東京大学理科III類に進学させました。

佐藤ママの著書によると、親子の信頼関係を作ることの重要性や、子どもが主体的に自主的に学習できる環境づくりを大切にしていることが伺えます。そんな佐藤ママは、子供との会話に公文式のカードを活用していました。

※我が家でも公文式のこれらのカードを活用しています(^^)


かずカード

ひらがなカード

ことばカード
公文式 カードの一例

これらのカードの活用方法について、インタビュー動画があります。

佐藤ママくもんのカード教具活用方法
【佐藤ママスペシャルインタビュー】

この動画の中で、佐藤ママは以下のように話しています。

「(1分24秒~)親がカードを持って『このカードはこうだね~』と言うと、話がまた膨らんでいきます。子どもと色々コミュニケーションを取ると、子どもも『何?これは何?』と訊いてきたりするので、お互いに会話がすごく豊富になるんです

(1分50秒~)コミュニケーションツールとして使えます」

佐藤ママ スペシャルインタビュー動画より

このカードは、フラッシュカードのように、高速で見せるように活用することも出来ます。しかし、このインタビューから、佐藤ママは、フラッシュカードのように「一方的に高速で見せる」という教育はしていないことが分かります。


佐藤ママは、教育者としてではなく、対等に会話をするというポジションで、子どもと一緒に同じ方向からカードを見ていました。そのようにして、親子の信頼が生まれ、自立した子どもが育ち、将来的に主体的に学ぶようになっていきました。

この例からも理解できるように、まずは子どもとコミュニケーション、相互のやりとりが重要です。
幼少期に、一方的な早期教育をする必要はないのです。

フラッシュカード 佐藤ママとの使い方比較
フラッシュカードと佐藤ママのカードの使い方比較

理由② 遊びの中で学ぶ機会が減るから

まず、子どもの学びの過程を考えてみましょう。
自発的に行動➡試行錯誤➡再び行動➡結果➡感動(成功でも失敗でも)➡学ぶ。
これが通常の学びのプロセスです。心が動いて、それが記憶されます。しかし、フラッシュカード教育では、その学びの過程が全て抜け落ちています。

幼少時期には「遊び」を通して学ぶプロセスを身体で覚えていくことが最も重要!

なのに、フラッシュカードの活動は受動的であり、身体で体験して感動するプロセスは学べません。それどころか、自分で体験して学ぶ意外の学び方を知ってしまうことで、体験から学ぶ力が失われます。よって、今後の人生にも影響が出るリスクがあります。
フラッシュカードで語彙力がつけば、幼少時期には「物知り博士」であることをもてはやされ、親も周りからの賞賛で一時の優越感には浸れるとは思います。しかし知識は長期的には続かないし、挑戦する力や自ら行動する力は、遊びをしていた子どもには勝てません。

フラッシュカードを「楽しい」と思っては、将来大変なことになります!!

人間は、3歳までに脳の85%が作られます。そして、使われないと判断された脳細胞の繋がりは、バッサリ刈り取られて消えていきます。これは下記の記事でまとめました。

動物に育てられた子どもの言語能力も、大体3歳までに人間の言語に接していたかで決まります。フラッシュカードをしていたことにより幼少期に使わなかった能力は、それ以降ではもう身に付きません。

3歳までの大事な時期に、単純作業(フラッシュカード)が楽しいと思わせてしまうと、生涯にわたり支障をきたします。

単純作業の繰り返しを楽しいと思っては、人間ではなくなってしまいます。
特に3歳までの幼少時期の活動は、感情や人格を作る基礎になります!だから、幼少の時期に単純作業を楽しいと思わせる教育は絶対にダメ

人間が本当に楽しめるのは、対話して発見したり、子ども自身が思ったことを試してみるプロセスです。
子どもには、「自主的な遊び」が必須なのです!!
「自主的な遊び」とは、「感情=これでいい」と、「判断=こうしよう」と、「結果=あれ?違うぞ or 思った通りだ!」の繰り返し。自分で予測したことを試して行動して、その結果を自分の考えに反映させることの繰り返しです。

例えば、ノーベル賞を受賞した人は必ずといっていいほど「子供の時の体験が大事だ!」と言います。
これは「外遊び」は健康的だからいいというわけではなく、自分で考えて試して触って感じて体験するプロセスの中で、考える面白さを知っていくことを意味します。

リアルの遊びが重要です!

理由③ 知識は思考力に結びつかないから

そもそも人はなぜ、会話しようと思うんでしょうか?そして、会話で使う生きた言葉は、どうやって覚えるでしょうか?

人生で、感情が大きく動いたエピソードは、脳に強烈に記憶されます。そして、それを誰かに伝えたい、共感してほしいと思うものです。『伝えたい、共感したいという強い願望』これこそが、人類が言葉を会得してきた原動力。

人は「知りたい!」と思ったときに、自ら行動してその情報を取り入れますよね。フラッシュカードのように、瞬間的な情報から映像記憶を使って覚える能力を使うことは、まずありません。

人が言葉を覚えるのは、興味があるから。他人から教わった興味がない薄っぺらの知識が増えても、会話の中で使えません。

そして、重要なのは、知識は、そのまま考える力には結びつかないということです。考える力は、遊びの中で身につきます。子供に選択権のないフラッシュカードでは、身につきません。

もちろん人生では、単語の暗記が必要な時もありますし、一次的に情報を保存しておく脳のワーキングメモリを鍛えることも必要です。でも、これらはフラッシュカードではなく、対話の中でもできますよね。その方が自然な発達が促せます。

理由④ お互いに楽しくないから

率直に思ったのですが、親子それぞれ、フラッシュカードをやっていて楽しいのでしょうか?

私は見ていて楽しくないなぁと思いました

子どもとのコミュニケーションで大切なのは、親も子どもも、お互いに楽しむこと♪

例えば、親がフラッシュカードを作業のようにやっていれば、子どもはそれに必ず気づきます。子どもは、次第に義務のように感じていきます

冒頭で紹介したフラッシュカードのYoutube動画では、最後の方で、子どもがカードに興味を持っているような発言があります。「○○のカードがやりたい~」と子どもから言っていますね。
しかし、これは興味があるというよりも、フラッシュカードによる教育が長期間行われて習慣化していることが要因だと思います。「フラッシュカード教育」は生活の中で毎日必ずあり、「その中での許されている選択肢」として、子どもが「○○のカードがやりたい~」と言っているだけに見えます。

子どもが、フラッシュカードのような特殊な教育を受け続けて、それが当たり前になると、それが「楽しい」と錯覚してしまいます。そうすると、普通の人が一般的に楽しいと思える活動が、それほど楽しく感じられなくなるリスクもあります。その結果、EQ(感情のIQ)が低下し、共感力が下がる可能性もあるのです。

人が幸せを感じるためには、「良い人間関係があること」が最重要です。共感力が低い人は、孤立しやすい傾向にあります。そうなると、幸せが感じにくくなってしまうかも知れませんね。

だからこそ、まずは人間が根本的に「楽しい」と思えることを、幼少期にやっていきたいです。

理由⑤ 他人の目を気にする子になるから

先述のように、単語を覚える喜びは、「その言葉を知って、親や友達との会話の中で使いたい!意思疎通に使いたい!」と、子どもが自らそう思うからです。言葉は、主体的に覚えるものです。

一方、フラッシュカードでは、なぜ子どもは単語を覚えるのでしょうか?
これは、子どもの親に対する承認欲求の表れです。

フラッシュカードを見ている状況は楽しいでしょうか?
いいえ、楽しくはないです。動画見てても面白くはないです。ストーリーも何もない単純作業です。

フラッシュカードで、人間の感情が動くのでしょうか?
いや、動きません。

この活動自体に感動はないです。子どもに喜びが感じられるのは、このカード教育の中で、親に承認されたとき、褒められた時だけです。
感動のない無味乾燥した活動の中で、子どもが唯一心が動くのは、親に承認された時だけ

これは切ないです。

フラッシュカード教育中に、子どもが選びたいと思える選択肢は、「親の承認を求める」以外にありません。そして繰り返すうちに、自然と気づかないうちに子どもは承認欲に囚われていきます。

フラッシュカード教育では、子どもに単語を覚えることを期待して半ば強要するような状態になります。「単語を覚えてね」という前提で、教育が行われます。それを続けると、子どもは自然と親の顔色を見て、「単語を覚えた方がいいんだな」と感じ取ります。結果的に、親の期待通りに、生活には必要のない単語も反射的に覚えていきます。

短期的に語彙が増えるのは間違いないのですが、このプロセスで問題になるのは、子どもが「誰かの顔色を見て、行動する」人間になってしまうことです。「人の目」を気にしすぎると、他者評価によって自己評価がアップダウンする人間になります。自己肯定感を感じられなくなります

こうなると、自ら行動する活力を自分で作れないし、問題解決力なども身に付きません

子どもが新時代を生きて幸せになるには?

新時代は、テクノロジーの進歩で、私たちの想像を超えた時代が実現します。

約15年前の私たちは、今の時代を正しく予想出来ていたでしょうか?
殆どの人間が「スマートフォン」を片手に通勤電車に乗る、という時代を誰も想像していませんでした。15年前は新聞を丁寧に折りたたんで持ってましたから。

同じように、今の子どもたちが大人になってから過ごす時代を正しく予測するのは、正直難しいです。だから、予測不可能な未来でも、活きる力は何かを考えてましょう。

それは、知っている単語数ですか?違いますよね。

子どもには、自立して、責任感と他人への思いやりがあり、生涯学び続ける姿勢の人間に育ってほしいと願います。

保護者が、子どもが自発的に学べる環境を整えていきましょう!

まとめ

フラッシュカードを活用した教育は、短期的な語学習得には影響が大きいです。
そのため、幼少時期に「天才児やん!」として脚光を浴びたい場合は、高速で語彙を習得可能なフラッシュカード学習はアリです。しかし、その「天才児」と呼ばれるのは短期間だったり、「児」のままで終わるリスクもはらんでいます。

あなたの子どもに、3歳までに本当に身につけてほしい力はなんでしょうか?
例えばそれは、自ら新しいことにチャレンジする力、失敗した後に自ら考え試行錯誤する力、そして周りとの協調性などかもしれません。
これらを伸ばすのは、「自主的な遊び」です!

だからこそ、早期教育ではなく、まずは親子の信頼関係を作るのが大事だと思います。

結論、我が家では子どもに
フラッシュカード教育しないことにしました!

カード自体を使うことはしますが、高速でカードを見せて単語だけを無尽蔵に覚えさせる使い方はしないことにしました!

じっくり、子どもが進んで行う遊びを通して、体験型で感情の変化を伴う学習をしていきたいと考えています。

色々な意見があると思うので、一つの考え方としてご参考になれば幸いです。

※下記の記事に、幼児早期教育によって、長期的にみると学力が低下したという研究や、犯罪率が増加してしまった研究をまとめました。

余談:日本では情報が排除されているのか?

「フラッシュカード」に関する情報を「日本語」で検索すると、ヒットする記事のほとんどは、たとえマイナスな事が書いてある記事だとしても、フラッシュカード関連商品への誘導や、関連サービスへの誘導をメインとした記事です。
また、冒頭で紹介した本 「アインシュタインはフラッシュカードなんて使わなかった」日本語化されてないです。

んーー、、なんとも言えませんが、ビジネス的な背景もあるんでしょうかね…?笑

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