俺の友達さ、子どもが先月生まれたんだよ
おお!
それはおめでたいね!
この前、その友達が赤ちゃんにメッチャ話しかけててさ、「意味ある!?」って思った
生後1ヶ月じゃ言葉話せないし、何もわかってないからね
へぇ!そんなに話しかけてたん?
うん。おむつ交換するときに声かけたり、童謡歌ったり絵本読んだりさ
そんなん労力の無駄じゃん
実は、その声かけの有無がその子の今後の人生に大きく影響を与えるという研究結果もあるんよ
ほんま?
人間の脳の研究により、近年では脳の成長について明確に理解されるようになってきました。
脳科学的な成長をもとに、どのような環境が赤ちゃんが持つ本当の潜在能力を引き出せるか、考えていきたいと思います。
1. 赤ちゃんの成長は遺伝子ではなく環境が全て
生後すぐ、赤ちゃんの脳は驚くべき速度で成長し、生後3歳までに大人の脳の重さの80~90%の重さにまで成長します。そして、その間、脳の神経細胞では毎秒なんと700~1000もの繋がりが生み出されています。
これは、大人では到底ありえない速度です。
そして、その成長する3歳までの期間で、どのような環境で過ごすかが赤ちゃんの人生にとって非常に重要です。
人間の能力は、遺伝子で決まるわけではなく、成長環境が全てなのです。
美しい花を咲かせる花のタネも、充分な日光、温度、肥沃な土壌、水がなければ花を咲かせません。それと同じように、人間にも成長のための環境が必要なのです。
遺伝子は、成長のための設計図を生命に提供します。しかし、どう成長するかは、その環境次第でどのようにでもなることができます。
なぜなら、赤ちゃんの脳には可塑性があるからです。
この脳の可塑性の性質を知ることが、3歳までの成長環境の重要性を理解するために必須となります。
可塑性って何??
形が変わっていくんよ。
経験的に使わないと判断した場合、その能力は、それ以降では発達しなくなったりすることが分かってるんよね
2. 脳の90%が3歳までに作られる
人間の言語を処理する脳神経経路のほとんどが、この時期に形成されます。
そして、その期間に、脳の働きの大部分である、記憶、感情、行動、運動能力、言語の根底となる神経細胞の繋がりが作られます。
それは、3才までに、人間の重大な因子である「自己制御能力」と「実行力」に与える影響は多大ということです。
過去には、生まれてから3年間の能力というのは、比較されることは少なく可視化しにくいため、深く論じられていませんでした。
しかし、赤ちゃんは生まれる前から親や保育者の言語を聞いており、脳の成長は紛れもなく始まっています。クーイングや喃語が始まってからではなく、生まれる前から吸収が始まっているのです。
例えば、生後6ヶ月の時点での数学的理解力と、その子が小学校に上がったときの算数のスコアには相関が認められたという研究結果も出ています。
また、将来の到達度の格差は、生後9ヶ月の時点で既に表れていることがわかってきています。
子どもの「将来の職業選択の幅」には、言語能力や情報処理能力が影響します。
その言語能力、情報処理能力の大部分は、3才までに大部分が培われるのは事実です。
そして、その3才までの期間で、コミュニケーションを促進させるのが、赤ちゃん言葉であることは他ならないでしょう。
3. 3歳までに使用されなかった機能は失われる
また、3歳までの脳には、可塑性があります。
この期間に脳は急速に成長する一方で、生活に不要と判断した神経細胞のつながりは、容赦なく切り捨てられていきます。
これは、人間の脳の特性で、「選択と集中」ということです。
この可塑性はどのようなものか、一例として、先天性の聴覚障害を持った赤ちゃんの例を示します。
耳が全く聞こえない赤ちゃんに対して、人工内耳移植を行い、音を聞こえる状態にする時期が、非常に重要なのです。
3歳になる前、できるだけ早い段階での人工内耳移植を行った赤ちゃんは、脳の成長時期で音の情報が重要であると判断できます。そのため、発話も会話も問題なくでき、学力も向上します。
しかし、3歳までに人工内耳移植を行えなかった赤ちゃんは、かなり大きな障害が残ります。3歳までに脳で音の情報を処理する経験がなかった場合、脳は音の情報を不要と判断します。そうすると、それ以降で人工内耳移植をして音が聞こえる状態になったとしても、もう音の意味の理解をすることは困難です。
周りでドアの閉まる音、風の音、会話の意味、これらを聞こえてはいても、意味を理解できません。そのため、発話できる状態となるのは困難でしょう。
脳の成長に重要な時期に、必要な環境がなければ、その能力を会得することが出来ないのです。
下記の記事では、言語を3歳までに聞くことが出来なかった子どもは将来的に会話が出来なかったことをまとめました。この記事を読んでいただければ、3歳までの音の情報がいかに重要であるかをご理解いただけるかと思います。
4. 脳の発達の流れ
子供の脳は、後ろから前側に向かって成長していきます。
それに伴い、視覚➜聴覚➜触覚、運動機能➜思考という順で発達していきます。
この成長のタイミングに合わせた成長環境が必要です。
①後頭葉
生後すぐから6ヶ月頃までは、「後頭葉」が成長し、「視覚」の情報を処理する機能が成長します。この期間に、ピントを合わせる能力を身に着け、追視ができるようになっていきます。
まずは20~30センチ程度の距離に焦点を合わせられるようになります。これは、授乳児のお母さんの顔の距離に相当します。素晴らしいことですね!
ですから、この期間で、見るものが何もなかった場合、焦点を合わせる練習ができず、成長が遅延したり視覚情報の処理速度が低下する可能性があるのです。
ベッドに赤ちゃんを寝かせたままで、白い天井やシーリングライトしか見えていない状態にしていたら、赤ちゃんは焦点を合わせる練習ができません。
②側頭葉
12ヶ月頃までは、「側頭葉」の成長が著しい時期です。側頭葉の成長は、2歳ごろまで続き、「聴覚」が発達していきます。この期間に、言語能力の処理能力が生成します。
米国の小児科学会では、2014年に、保護者は生後すぐに子どもに継続して本を読むべきと勧告を出しています。日本では、こういった勧告はありませんが、どちらが子どもの成長のためになるかは自明だと思います。
③頭頂葉
生後2歳から4歳までは特に「頭頂葉」が発達します。ここで、触覚や運動能力が著しく向上します。習い事を始めるにはこの時期が良いと言われる所以です。
④前頭葉
生後5歳ごろまで前頭葉が発達していきます。前頭葉は、コミュニケーション、意思決定、行動や思考の制御、記憶の整理などを行います。
特に「前頭前野」は、人間を人間たらしめる部分です。前頭前野は、人間の脳の大脳の約30%を占めますが、他の動物では、動物の中で最も前頭前野の割合が大きいチンパンジーでも10%程度しかありません。
この前頭葉は、人間の行動や性格を司りますが、この部分の発達を促すためにも、それまでの脳の発達が正しく行われている必要があります。
5. 参考文献
この記事は、下記の書籍を参考に作成しました。
とても興味深い内容が記載されています。
育児をするにあたり、私に大切な指針を示してくれた本です。
一般的にも非常に評価の高い本もありますし、人間の成長の真髄が書かれていると感じました。
私は、これらの本は特に男性には読んでいただきたいと思っています。
理由は、父親がどれだけ赤ちゃんのこと、育児を正しく知ってもらい、子育てに向き合ってもらえるかによって、家庭の状況が大きく変わってくるからです。
そのためには、子どもは正しい環境があって初めて育つことを知っていく必要があります。
上記のような本は、それをサポートしてくれます。
子育ての中で、様々な育児本を読むというのもとても良いことだと思います。
夫婦で、育児本を読んで話し合う時間こそが重要と感じています。
育児の方針を話し合うことは、良い夫婦関係のために必須!
そのためには、学び続けていく必要があると、強く思います。
とはいうものの、気負い過ぎず、楽しい育児をしていきましょう☺
6. 終わりに
いかがでしたか?
脳の発達にフェーズがあることを理解すれば、なぜ保育者がその行動をすべきか、理解できるようになります。
今後、当ブログでは、赤ちゃんの脳の成長に合わせた知育玩具などを紹介していきたいと思います。
このブログを通して、少しでも育児を楽しめるよう、育児をする皆さんを応援していきたいです。
最後までお読みいただきありがとうございます。
私は、このブログを通して、少しでも育児を楽しめるよう、応援していきたいです。
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