【遺伝ではない】数学的な能力は、環境が9割 

あーやっぱり計算キライにゃ!
あどにゃーは男だから数字が得意でいいにゃあ。。

え?
得意科目に男女差があるん?

男子は理系科目、女子は文系科目が得意じゃニャいの?

実は近年、数学的思考力に多大な影響を与える因子が分かってきたんよ

理系には男子が多く、文系には女性が比較的多いですよね。

このことから、数学的な教科は男性が得意で、コミュニケーションや言語は女性が得意だと感じることがありませんか?

しかし、遺伝的な影響で得意科目が影響することはなく、殆どは「生活環境に起因」していることが分かってきました。(体育は、骨格の影響があるため除きます。)

そして、特に生後3歳までの生活環境の中で、保育者が会話の中で「数」をどれだけ使っているかが、数学の理解力に影響を与えていることが分かっています。

目次

1. 古くから考えられてきた迷信

数学的能力に関して、古い研究では、下記のように考えられていました。

『子どもたちは、「算数」について無知な状態で学校に上がり、元々持っている能力に応じて勉強を吸収していく。』

『3歳なら10くらいまで数えられるかもしれないが、数の概念は理解していないだろう。』

しかし、これらは明らかに間違いでした。

実際には、子どもは生まれたその日にすら数の能力を持っているのです!

そして更に、遺伝の影響よりもずっと、生活環境がこの能力に非常に大きく影響していることが明らかになっています。数学的な能力に男女差を生み出している大きな理由が、解明されてきたのです。

2. 生まれたときから数を理解している

これまでの実験によって、人間は生まれたときから「1」と「2」を区別できるということが、明らかになってきました。

赤ちゃんは、点が1つだけある紙をしばらく見せられたあとに突然、点が2つある紙を見せられると、驚きます。目の前に違うものが現れたからです。

驚きの程度は、赤ちゃんが紙を見ている時間を測定することで確認可能です。そこで、飽きて別の方向を見るまでの時間を測定することで、赤ちゃんはなんと、足し算・引き算もできることがわかりました。

実験の概要は下記です。

赤ちゃんにまず2つのリンゴを見てもらい、それをついたてで隠して片方のリンゴを取り除く様子を見せます。すると、赤ちゃんはついたてのうしろのリンゴは1つだけだと予想しています。ここで、リンゴがまだ2つある場面を見せられると、赤ちゃんはかなりびっくりします。

自分は、そこにはリンゴは1つあるはずなのに、何故かまだ2つあったので驚いたのです!

新生児は数を理解できる

生後2日目の新生児でもモノの相対的な数を「推量」できます。数合わせゲームができることが分かっています。

例えば、特定の数の音節を言うと、新生児はその音節と同じ数の角がある図形を見つめます。「ツゥ、ツゥ、ツゥ、ツゥ」という4音を聞くと、4角形の絵を長く見つめ、12音を聞くと12角の絵を長く見つめるという研究結果が得られました。

そして驚くべきことは、生後6ヶ月の時点で測定したこの音節と図形の形を合わせる力が、多くの場合、その子の最終的な算数・数学の能力と相関する可能性があることが明らかになっています。

また、小学校に上がる時点の算数スキルは、15歳児の数学スキルに相関があることが、カリフォルニア大学Greg Ducan教授の研究にて分かってきました。

Long-Term Neighborhood Effects on Low-Income Families: Evidence from Moving to Opportunity
Jens Ludwig, Greg J. Duncan, Lisa A. Gennetian, Lawrence F. Katz, Ronald C. Kessler, Jeffrey R. Kling & Lisa Sanbonmatsu
https://www.nber.org/papers/w18772

では、小学校に上がる時点での算数スキルは、どのように伸ばせるのでしょうか?

答えは1つ、保育者の声掛けに「数」を持ち込むことです。

3. 算数スキルは、遺伝ではなく生活環境の影響が多大

これまで、算数などの数字を扱うスキルのレベルは、遺伝の影響が大きいと考えられてきました。男女差も遺伝子の影響の可能性があると謳われてきました。

しかし、それは明らかな間違いです。

シカゴ大学のスーザン・レヴィンSusan C. Levine教授の研究により、保護者と子どもの声掛けの中に「数に関する言葉」の量が全く異なっていることがわかったのです。

この研究では、生後14~30ヶ月の子ども約40人と家族との会話の調査を実施しました。

90分間×5回の会話セッションの中で、ある子供は「数に関連する言葉」を4回聞いており、一方で別の子どもは、250回も聞いていました。

一週間にすれば、数に関連した言葉を28回聞く子どもから、1799回聞く子どもまでいたことがわかりました。

これを一年に換算すると、約1,500 vs 100,000となり、とてつもない差です。

そして、その後4歳になる子どもに、数学の理解について調査を行った結果、下記の結論に到達しました。

数に関する言葉を多く聞いていた子どもほど、数学の理解能力が高かった。

保育者の話し言葉がどれだけ重要かがまた明らかになりました。

遺伝かと思ってたからめっちゃ意外にゃ!

そしてこの研究の結果により、保育者の無意識の思い込みと子どもに対する期待が、子どもとの会話に影響し、それが子どもの数字への理解力に多大な影響を与えていることもわかりました。

歴史的に、女性が育児に従事することが多く、男性はそれ以外の労働や学問に時間を使えたという事実があります。一例として、古代ローマでは、哲学者、宗教者、数学者は全て男性でした。日本でも、近代までずっと、学問に時間を使えたのは女性より男性でした。

近年では、文明の発達により、男女が平等に教育を受けられる状態となり、自由が享受できるようになっています。

しかし、無意識のバイアスが根強く残っています。特に日本では、ジェンダーバイアスが非常に強く社会全体の共通認識となっている状況です。経済協力開発機構(OECD)加盟国で調査した結果、理系女性の割合は36カ国中で日本は最下位です。(2018年データ)

『男性は理系科目が得意』というのも典型的なジェンダーバイアスの一つです。

そして、そのバイアスと、子どもに対する期待が、子供との会話に影響していることが研究により明らかとなりました。

● 会話に「数」の登場回数が多いほど数を扱うスキルが向上した

● 3歳までの親子の会話において、「数」の登場回数は 女の子よりも男の子の方が多くなっていた

4. 子供との会話で「数」を積極的に使ってみよう

 いかがでしたでしょうか?

私は、つい先日まで、「数学の能力の大部分は遺伝だろうし、私が我が子にできることはそんなに多くないなぁ―」と捉えていました。

しかし、それは大きな間違いでした!!

赤ちゃんにとって、会話の中で得られる情報が全てです。産み落とされた時点で、遺伝子によって私達がどうなるかは決定されていません。どう成長するか、その全ては環境因子なのです。

遺伝子と環境の影響(例:花のタネ vs 数の認識能力)

遺伝子は、私達の生命の設計図を提供してくれます。しかし、生まれたあとで、どう成長していくかは、成長環境が全てなのです。そのために、まず親子の会話が重要です。

私たちは、未来を変えていける!これは、素晴らしいことです。

人は、何者にでもなれる!
いつからでも!(キリッ)

ほんまその通りやよ!

関連記事として、実際の会話の中で、どのように数の会話が出来るかをでまとめています。

5. 参考文献

この記事は、下記の書籍を参考に作成しました。
とても興味深い内容が記載されています。
育児をするにあたり、私に大切な指針を示してくれた本です。

  • 3000万語の格差
  • 世界に通用する子供の育て方
    世界に通用する子どもの育て方 | 松村 亜里 |本 | 通販 | Amazon
    参考文献

    私は、これらの本は特に男性には読んでいただきたいと思っています。
    理由は、父親がどれだけ赤ちゃんのこと、育児を正しく知ってもらい、子育てに向き合ってもらえるかによって、家庭の状況が大きく変わってくるからです。
    そのためには、子どもは正しい環境があって初めて育つんだと知る必要があります。

    上記のような本は、それをサポートしてくれます。
    それ以外の育児本を読むというのもとても良いことだと思います。

    夫婦で、育児本を読んで話し合う時間こそが重要と感じています。
    育児の方針を話し合うことは、良い夫婦関係のために必須!

    そのためには、学び続けていく必要があると、強く思います。

    とはいうものの、気負い過ぎず、楽しい育児をしていきましょう☺

    私は、このブログを通して、少しでも育児を楽しめるよう、応援していきたいです。
    最後までお読みいただきありがとうございます。

    ご覧いただきありがとうございます😊
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