前の記事「動物に育てられた子は言語習得できるか?」読んだけど、ちょっと疑問があるんだ
なに?
もののけ姫の「サン」は、話せるよね
山犬に育てられていたのに
あぁ、確かにその通りやね
3歳までの期間は人間と接触していないのに、なんでその後で「アシタカ」とかと会話ができたんだろう?
おおお!
良いポイントに気づいたやん!
それには深いワケがあるんやよ!
前の記事「動物に育てられた子は言語習得できるか?」では、3歳までに言語を聞いていないと、それ以降では言葉が理解する能力は得られなくなるということを書きました。
しかし、その原理にそぐわない事例もあります。
例えば、ディズニーの「ターザン」や、もののけ姫の「サン」です。
彼らは、3歳までの時期どころか、それ以降の長期間で人間と接触していません。
しかし最終的には、人間と意思疎通できるようになっており、会話も出来ていました。
この記事では、そのワケを解明していきたいと思います。
1. ターザン 冒頭部分のあらすじ
ジャングルで暮らすゴリラの母カーラはある日、子供の泣き声を聞きつけ群から離れます。
すると、木の上の建物に人間の赤ん坊「ターザン」がいました。
ターザンの両親は、チーターに殺されており、ターザンは一人残されていたのです。
カーラはゴリラの群れに人間の赤ん坊「ターザン」を連れて帰り、息子として育てはじめます。
ターザンは成長する中で、他のゴリラや動物たちと容姿が異なるため傷つきながらも、カーラの愛に触れ、友人を作りながら生きる術を身につけます。
ターザンが一人前の青年になった頃、ターザンの住むジャングルに人間が入ってきます。
そこでターザンは女性「ジェーン」と出会います。
ジェーンとの出会いにより、自分と同じ生物を知ったターザンは、言葉や体の使い方などの人間の常識を身につけていきます。
その結果、片言でも話すことが出来るようになったターザンは、ジェーンと意思疎通が出来るようになり、2人は次第に惹かれ合っていきます。
その後に起きる人間とゴリラ達の戦いは、、、!?
この結果は、実際の映画をご覧いただきたいと思います(^^)
ターザンの言語能力の取得
ターザンは、赤ちゃんの頃にゴリラに育てられ始めます。
この時ターザンは、生後6ヶ月に満たない状態だったと考えられます。
そして、ジェーンとの出会いは、20歳くらいです。
言語の中枢ができる生後3歳までで人間と接しなかったのに、なぜ言語を理解できるようになったのでしょうか?
2. もののけ姫 背景とサンの生い立ち
1997年に制作され、世界のアニメ界に激震が走ったジブリの名作、もののけ姫。
それまでのアニメーション作品と比較しても、桁違いの作画枚数、そして非常に攻めた時代背景と細部まで練られたストーリー。
宮崎アニメのうちでも、いまでも私が最も好きな作品の一つです。
もののけ姫こと「サン」は、赤子の頃に人間に捨てられ、山犬に育てられました。
山犬は、森を侵した人間に対して報復するということが発生していました。その人間が、報復から逃れるために山犬に投げてよこしたのが、赤子の「サン」でした。
これを哀れに思った山犬の「モロ」によって、サンは育てられました。
名シーン アシタカとモロの対話
モロ『だまれ、小僧!おまえにあの娘の不幸がいやせるのか。森をおかした人間がわが牙をのがれるためになげてよこした赤子がサンだ…!人間にもなれず山犬にもなりきれぬ哀れで醜い可愛い我が娘だ!おまえにサンをすくえるか!?』
アシタカ『わからぬ….. だがともに生きることはできる』
親に生贄として、山犬に差し出されたサンなので、森を穢す人間のことを非常に嫌っており、自分は山犬であると考えています。
しかし実際には人間なので、山犬になれるわけではありません。
そんなサンのことを、モロは「哀れで醜いかわいい我が子」と表現したのです。
これは本当に、名シーンです。
中田敦彦のYoutube大学での非常に熱のこもった熱い解説も、情景が思い出されます。
映画に登場するサンは、15歳。
赤子の頃から15歳まで、森で山犬とともに暮らしていたサンですが、モロから二足歩行を教わったのでしょうか。
サンは、人間と似たような振る舞いができるようになっています。
3. 「ターザン」と「サン」の共通点
「ターザン」と、もののけ姫の「サン」には、ある共通点があります。
・言語習得が可能な期間は、動物とのみ過ごしていた ・成長してから人間と出会ったが、言語を理解できた
これは、脳の成長を考えると、非常に不思議なことです。
しかし、「ターザン」と「サン」が言語を習得できたのには、2つの理由があります。
理由1 親の影響:言語を話せる親だった
1つ目の理由は、育ての親が「言語」を話せていたということです。
ターザンの育ての親であるゴリラの母親「カーラ」と、もののけ姫を育てた山犬「モロ」は、人間の扱う言語を習得していました。
「カーラ」と「モロ」の両者は、作中では驚くほど流暢に人間の言語を操り、豊かな言語を話すことが出来ました。
「カーラ」も「モロ」も、深い心の傷を負いながらも、拾った人間の子どもに対して語りかけながら、愛を込めて育てていたことが伺えます。
そして、言語のある環境で育ってきたことから、「ターザン」も「サン」も言語力が自然と身についていたと考えられます。
理由2 フィクションだった
2つ目の理由は、これらの映画がフィクションである、ということです。
ターザンがノンフィクションである説もありますが、このディズニー映画では、ストーリー自体はフィクションも交えて描かれています。
ま、ここで、
フィクションって話をしたら
元も子もないけどな
それな
4. 終わりに
当ブログにおいて繰り返し記載していますが、子どもが3歳になるまでの親子の会話のキャッチボールは、子どもの言語能力において非常に重要となります。
フィクションでなければ、3歳まで言語を聞くことが出来なかった子どもは、それ以降で言語能力を身につけることは不可能になります。
貴重な育児の期間を、親子ともに楽しめるようにしていきたいですね。
また、「ターザン」も「もののけ姫」も、それぞれ少し異なるメッセージ性がある素晴らしい映画です。
まだ見たことがない方は、おすすめなので是非見てみてください!
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